健康情報
高血圧と脳卒中
血圧が高い状態が続くと動脈硬化を起こし、重症化するとさまざまな深刻な病気を発症します。脳卒中もその一つです。
脳卒中は日本人の死因としては4位(令和2年度)ですが、健康寿命を損ね、寝たきりなど重度の要介護状態※となる原因の1 位となっています。発症後重篤な後遺症が残ると、本人だけでなく、社会的な負担も大きい病気です。
予防には高血圧を防ぐことが重要です。
※要介護度4,5の場合
脳卒中の発症
脳卒中には、脳の血管が詰まる脳梗塞と、脳の血管が破れる脳出血、くも膜下出血があります。
いずれも高血圧が最大の原因です。
発症が疑われたら可能な限り早期に受診を。
早く治療を開始することで後遺症が軽くなることがあります。
脳卒中のリスク
- 高血圧
- 喫煙
- 肥満
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 過度の飲酒
- 運動不足
- 不整脈(心房細動)
- 男性
- 高齢者
血圧が高い状態が続くと脳の血管に大きな負担がかかってもろくなり、詰まったり、破れやすくなったりします
高血圧を指摘されたら放置せずに生活習慣改善や治療で、改善を図りましょう。
国立がん研究センター「10 年間で脳卒中を発症する確率について‒ リスク因子による個人の脳卒中発症の予測システム‒」より
※人口寄与危険度割合とは、あるリスク因子を完全になくすことができたときに、防ぐことが可能となる脳卒中発症者の割合のこと。
《参考》
高血圧を予防・改善する生活習慣
❶減塩・食事
■重症化予防のため食塩は1日6g 未満に
《参考》
■カリウムを多く含む野菜や果物、大豆製品を積極的にとる
カリウムは塩分を体の外へ排出する作用があります。
※腎臓病などの場合は、カリウム制限がありますので医師の指示に従ってください。
■血圧を安定させるカルシウムを摂取
カルシウム不足は血圧上昇と関連します。
牛乳、乳製品のカルシウムは吸収率が高い。
❷減 量
肥満、とくに内臓脂肪の増加で血圧が高くなりやすいため、食べすぎを改善し、ウオーキングなどの有酸素運動で運動不足を解消しましょう。特定保健指導の案内があったら積極的に受けましょう。
❸自宅で毎日血圧測定
家庭用の上腕血圧計で、朝と晩に測定します。家庭血圧135/85mmHg 以上は脳卒中や心筋梗塞の発症率を2 ~ 3倍にも増やす危険な高血圧といわれています(日本高血圧学会)。
監修:国立循環器病研究センター 脳血管内科部長 古賀政利