健康情報
国立がん研究センターより
睡眠時間が長くなるほど認知症リスクがアップ
睡眠時間が長い人は最大で1.4倍リスクがアップ
「睡眠時間が7時間の人を基準とした場合、9時間の人で13%、10〜12時間の人で40%も認知症のリスクが高くなっている」
――このような調査結果が、国立がん研究センターの多目的コホート研究より明らかになりました。
この調査は、1990年と1993年から1994年に、秋田県横手、沖縄県中部、茨城県水戸など5保健所管内に住んでいた人のうち、調査開始時のアンケートに回答した40~71歳の約4万2,000人の男女を2016年まで追跡した調査結果に基づいて、睡眠時間やその変化、認知症との関連を調べたものです。
睡眠時間と認知症の発症リスク(睡眠時間7時間を1とした場合)
2007年から2016年までの間に4,621人が認知症と診断されました。睡眠時間が1日7時間の人に比べて、「9時間」の人では13%、「10〜12時間」の人では40%、認知症リスクが高いことが示されました。また、「3〜5時間」の睡眠時間が短すぎる人も認知症リスクが13%高くなっていました。
睡眠時間の変化をみると、5年間で睡眠時間がほとんど変わらなかった人と比べて、睡眠時間が2時間以上長くなった人では認知症リスクが37%高くなっていました。睡眠時間が7時間未満だった人では2時間以上短くなると、認知症リスクが56%高くなっていました。
日本人は他国と比べて、睡眠時間が短いことが明らかとなっていますが、睡眠時間が短いだけでなく長すぎることも、認知症リスクを上げることが今回の調査でわかりました。質の高い睡眠を適切にとることが大切です。