健康情報

血圧が高くなってきたら取り入れたい
血管をしなやかに保つ生活術

血圧が高めでも、それ自体には症状はありません。
しかし、症状がないからといって放置してしまうと、心筋梗塞や脳梗塞、腎臓病などの原因にもなる恐ろしい病気であることをご存じですか?

歳をとると、血圧は上がりやすくなる

  • 圧とは血液が血管の壁に与える圧力のことで、血液量が増えたり、血管が細くなったり硬くなったりすると血圧が上がります。若いころは、血管がしなやかで弾力もあるため、血圧が上がりにくいのですが、加齢とともに血管の柔軟性が失われて硬くなることで、年々血圧が上がりやすくなります。
    血圧が高めの状態そのものが血管の壁にダメージを与え、動脈硬化を加速させます。動脈硬化が進むと血流が滞り、全身に悪影響を与えますが、最も深刻な影響を受けるのが脳と心臓、腎臓です。これらの臓器に負担がかかると、突然死や寝たきりを招くような重大な病気を引き起こします。

    圧が高めでも自覚症状はないので、毎年健診を受け、経年変化を確認することが大切です。基準値を超えたり、年々上昇したりするときは血管がダメージを受け、動脈硬化が進みやすい状態です。しなやかな血管を保つことが高血圧予防につながりますので、下記を参考に生活習慣を見直してみてください。

GOOD! 今日からできる改善法

  • 改善法1 減塩

    塩分を摂りすぎると、塩分濃度を調整しようと血液中の水分量が増え、結果的に血液量が増加します。すると、血管への圧力が高まって血圧が上昇します。
    人が生きるために必要な食塩は1日たったの1.0g 程度。厚生労働省は1日の食塩摂取量の目標値を男性7.5ℊ・女性6.5g未満としていて、これを超えた分は血液量の増加から高血圧を招く原因になります。
    高血圧の人は6.0g未満

     

    -おすすめ改善法-
    ✅ 麺類のスープは飲み干さずに残す
    ✅ ドレッシングや調味料は極力足さず、必要なときは上からかけず小皿に入れて少量つける
    ✅ 柑橘やスパイスで風味を足して味にアクセントをつける
    ✅ いつも腹八分目を心がける
    ✅ 塩分の排出を助けるカリウムを多く含むほうれん草や小松菜、バナナやメロンなどの野菜や果物、豆類を積極的に食べる

  • 改善法2 NO(一酸化窒素)の産生増

    「NO(一酸化窒素)」という物質には、血管をしなやかに保ち、血圧を安定させる働きがあります。NO は血流が速まったときに産生が促されるため、軽く汗ばむ程度の運動を習慣にすると、NO の効果で高血圧の予防・改善が期待できます。

    一方、筋トレなどのきつすぎる運動や長時間の座りっぱなしは血圧上昇リスクになるので注意しましょう。

     

    -おすすめ改善法-
    ✅ 通勤で+ 5 分・昼休みで+ 5 分・買い物で+ 5 分など、無理なく歩行時間を増やす
    ✅ 歩行時は、速歩きをしたり、坂道や階段を選んだりして、軽く汗ばむ程度に強度を上げる
    ✅ 座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう、こまめに席を立ったり、姿勢を変えたりする

  • 改善法3 禁煙など

    タバコに含まれるニコチンには強力な血管収縮作用があり、喫煙後は15分程度、血圧の上昇が続くといわれています。また、アルコールやカフェインの過剰摂取も血圧を上げる原因になるので、適量を守って楽しみましょう。

     

    -おすすめ改善法-
    ✅ 自力での禁煙が難しい場合は、禁煙外来や禁煙補助薬も活用して早めに禁煙する
    ✅ アルコールは適量(グラスワインで男性1日2杯・女性1日1 杯程度)を守る
    ✅ コーヒーは1日3杯までなど上限を決めて楽しむ

  • 改善法4 減量

    肥満の人は高血圧のリスクが2~3倍高まるといわれており、特に腹囲が基準値(男性85㎝・女性90㎝)を超えて内臓脂肪型肥満になると、脂肪細胞から分泌される悪玉物質によって血圧を調整するホルモンの分泌が乱れ、高血圧のリスクが高まります。

     

    -おすすめ改善法-
    ✅ 定期的に体重を量る
    ✅ 運動や食事内容の見直しによって無理なく減量する
    ✅ 肥満の人は、3~6カ月かけて体重を3~5%減らすことで、血圧の改善効果が見込める

「ブルーマンデー」に要注意!

30~60 代前半のビジネスパーソンを中心に、月曜日の午前中、特に午前10時ごろに心筋梗塞や脳梗塞といった心血管系の急性疾患が多いことをご存じでしょうか? 休み明けの午前中は、休日の夜更かしや過剰な飲酒、過食などで負荷が蓄積していることに加え、仕事が再開するストレスや緊張によって、血圧が上昇しやすいためだと考えられています。
金曜日の午後は元気が出て週末は楽しく過ごせるのに、日曜日の夕方から憂鬱になってしまう。そんな「ブルーマンデー症候群」や「サザエさん症候群」気味の人は要注意。
休日も規則正しく過ごし、休み明けの午前中は無理をしすぎないように仕事量を調整することも大切です。

監修 慈恵医大晴海トリトンクリニック所長 横山 啓太郎

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