
加入者の皆様へ
令和7年度 健康保険組合全国大会が開催されました
持続可能な制度へ、今こそ抜本改革を
健康保険組合連合会は10月22日、東京国際フォーラムで令和7年度健康保険組合全国大会を開催しました。テーマは「皆保険存続の危機!持続可能な制度のために今こそ抜本改革を─現役世代を守れ、2025年問題は終わっていない─」であり、全国の健保組合関係者約3,000名が来場し、ウェブ配信で約2,000名が視聴しました。

▲全国大会のもよう
黒字見込みも、構造的な問題が残されたまま
基調演説を行った宮永俊一会長は国内の社会・経済状況や国際情勢、さらには前日に発足したばかりの高市政権にも触れた後、健保組合財政に話を移し、「大変厳しい状況が続いております。令和6年度の健保組合の決算見込みは145億円とわずかに黒字になりましたが、全体の賃上げや保険料率の引き上げによりかろうじて黒字を確保できたにすぎず、依然として約半数の660組合が経常赤字に苦しむ状況です。賃上げに基づいて保険料収入が伸びたにも関わらず、高齢者医療への拠出金がそれを上回って過去最高額となり、保険料率の引き上げがなければ赤字に転落するという構造的な問題が残されたままといえます」と述べました。
改革断行の決意と新提言の趣旨を踏まえたスローガン
宮永会長は高齢化に伴い医療費が増加する一方で、医療費を負担する現役世代が減少している現状を指摘したうえで、大会スローガンについて「このままでは早晩、医療保険制度は限界を迎えてしまうのではないかと強い危機感を抱いております。追い込まれた健保組合の解散が相次げば国民皆保険制度の根幹を揺るがす事態にもなりかねません」との厳しい状況認識によるものと話しました。さらに「今こそ現行制度のあり方を抜本的に見直して国民が将来にわたって安心できる制度へ改革を断行していかなければいけません」との決意と新提言(「ポスト2025」健康保険組合の提言)の趣旨を踏まえ4つのスローガンを掲げたことを明らかにし、それぞれを解説しました。
大会の4つのスローガン
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現役世代の負担軽減と全世代で支える持続可能な制度の実現
全世代で支える改革の実現には、加入者・国民のご理解とご協力が不可欠であり、私達自身が発信力強化に取り組む決意を盛り込みました。
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保険給付の適正化・重点化と負担の公平性確保
医療費の財源は有限であるとの認識のもと、自分の健康を守ることから始まるセルフメディケーションの取り組みを推進するほか、適正化に資する保険給付範囲の見直しや経済性も考慮した薬剤使用の最適化など、「給付と負担の見直し」に取り組んでいく必要があります。
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安全・安心で効果的・効率的な医療提供体制の構築と医療DXの推進
かかりつけ医機能の浸透や大病院と中小病院・診療所との役割分担を図り、「全国医療情報プラットホーム」の基盤となるマイナ保険証をさらに進めていきます。
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加入者の健康を支える健保組合の保健事業の充実・拡充
これからも今までの保健事業の取り組みを確実に継続し拡充するとともに、人口構造の変化や働き方の多様化など、社会情勢の変化に応じて加入者のために保険者機能を発揮していきます。
以上のスローガンを含む決議文案が大会決議として満場一致で採択されました。この決議を宮永会長が巽慎一厚生労働省大臣官房審議官に手交し、実現を強く要請しました。









