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令和5年度 健康保険組合全国大会が開催されました
将来世代が希望を持てる制度へ!

~医療DXを推進し、改革実現と健保組合のさらなる機能強化を~

去る10月25日(水)、東京国際フォーラムにて「令和5年度 健康保険組合全国大会」が開催されました。今回のテーマは「将来世代が希望を持てる制度へ! 医療DXを推進し、改革実現と健保組合のさらなる機能強化を」。当日は4年ぶりに全国の健保組合関係者が一堂に会し約3,000名が集まったほか、ウェブ配信で約1,500名が視聴し、合計でコロナ禍前よりも多くの方が参加しました。

▲全国大会のもよう

5年度は再びマイナスに赤字傾向がさらに強まる見通しです

最初に基調演説を行った健康保険組合連合会の宮永俊一会長は、令和4年度の健保組合決算見込みにおいて、全体では1,365億円の経常黒字となったことについて、「これはコロナ禍の受診控えに伴う精算戻りによって高齢者医療への拠出金が大幅に減少したことによる、極めて特殊で一時的なもの。健保連では5年度の決算はマイナス3,600億円と再び赤字に転じると予想し、この傾向は高齢化のピークを迎える2040年に向けてさらに強まると見ており、このままでは財政的に健保組合の存続が危ぶまれる事態になりかねないとたいへん危惧しています」と述べました。
また、出生数の減少傾向に歯止めがかかっていない現状に対して、「将来の社会保障の支え手の減少に歯止めをかけることは国家的に『待ったなし』の課題であり、この少子化の流れを食い止め反転させるためには、若年人口が急減する2030年代に入るまでの今後10年弱の期間がラストチャンス。それでも効果が出るまでに長期に渡り少子化と高齢化による生産年齢人口の減少が続くため、健保組合にとっても極めて厳しい状況を迎えることになります」との見方を示しました。

全世代型社会保障制度を前に進めるための改革が必要です

さらに宮永会長は、大会のテーマは「これらの健保組合を取り巻く厳しい現状を踏まえたもの」として、「負担を将来世代に先送りするのではなく、国民皆保険制度を持続可能でよりよい制度として将来世代に引き継いでいくことが私たちの使命であり、その使命をしっかりと果たすためには全世代型社会保障制度を前に進めるための改革の実現や、質が高く効果的・効率的な医療を国民・患者に提供するための基盤となる医療DXの推進、さらには私たち健保組合が保険者機能を一層強化していくことで、誰もが健康でいきいきと活躍できる社会の創出に貢献していくことが必要です」と話しました。その後、下記4つのスローガンを含む決議文案が大会決議として満場一致で採択されました。

4つの大会スローガン

  • 社会情勢の変化を見据え、全世代で支え合う制度へ

    現役世代の負担は限界であり、年齢に関わりなく、すべての国民がその能力に応じて負担し、支え合うことが不可欠。

  • 医療DXを推進し、国民の健康と安心を確保

    まずは、オンライン資格確認システムを基盤とした全国医療情報プラットフォームの創設などを着実に進めるべき。

  • 安全・安心で効果的・効率的な医療提供体制の構築

    かかりつけ医の機能強化では、すべての国民・患者がニーズに応じて自ら選択・活用できる体制整備に向けた検討が必要。

  • 保険者機能の推進による健保組合の価値向上

    加入者一人ひとりに寄り添った予防・健康づくりを推進することはもちろん、生活スタイルや働き方が多様化するなかで保険者も進化していかなければならない。

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