健康情報
HPVワクチンの接種を逃した女性は早めの接種を検討しましょう
1997年度~2007年度生まれはキャッチアップ接種の対象
国立がん研究センターのがん統計によると、日本では子宮頸がんにかかる女性が1万879人(2019年)、亡くなる女性が2887人(2020年)もいます。
子宮頸がんは、ほかのがんと比べて若い世代で発症する割合が高いという特徴があります。一方で、予防できるがんでもあります。子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因と考えられていますが、ワクチンでHPVへの感染を予防できるためです(ただし、ワクチンで防げないHPV感染もあるので完全ではない)。
このため、日本では2013年4月1日からHPVワクチンを定期接種として、小学校6年から高校1年相当の女子に無料で接種できるようにしました。しかし、定期接種開始直後、接種後の痛みや運動障害などのさまざまな症状の報告が相次ぎ、それについて十分に情報提供ができない状況にあったことから、2021年まで接種勧奨を一時的に差し控えていました。2021年の専門家会議で、安全性に特段の懸念は認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたため、接種勧奨が再開されました。
しかし、接種勧奨が控えられていた期間に定期接種の対象だった人の多くが接種の機会を逃しています。
そこで、現在、1997年4月2日~2008年4月1日生まれの女性を対象に、HPVワクチンの接種を公費(無料)で受けられるキャッチアップ接種が実施されています。
9月末までに
1回目の接種を
HPVワクチンの一般的な接種スケジュール
下記ワクチンのうち1つを選択し、原則、同じワクチンを3回接種します。
*いずれも1年以内に接種を終えることが望ましいとされています。
*9価ワクチンは、15歳未満は接種スケジュールが異なります(2回接種)。
キャッチアップ接種の期間は2025年3月31日までですが、ワクチンは合計3回の接種が必要なため、3回すべてを公費で受けるには、9月中に1回目の接種を終える必要があります。
対象となる女性で、まだ接種がすんでいない人は、子宮頸がん予防のためにも、早めに接種を検討しましょう。