
健康情報
メタボとロコモは
50代から重複して現れやすい
50代のメタボがある男性の32・0%
女性の53・2%がロコモを併発
「ロコモティブシンドローム(ロコモ)とメタボリックシンドローム(メタボ)は、50代から重複して現れやすい」ことが、千葉大学大学院医学研究院の研究グループにより明らかになりました。
ロコモは加齢に伴う運動器機能の低下を示し、フレイルや要介護状態の前兆とされています。一方、メタボは動脈硬化が進みやすいため、早期発見を目的に特定健康診査(メタボ健診)が実施されています。
-
研究グループは、2021年度に健診を受けた3万5059人(平均年齢50歳、男女比6‥4)のデータを解析しました。その結果、全体の約15%がロコモ、約7・5%がメタボに該当していました。ロコモの割合は、メタボ該当者で約24%と、非メタボ該当者の約15%に比べて有意に高く、メタボ該当者ではロコモのリスクが1・87倍に上昇することが示されました。
とくに50代の男女では、ロコモとメタボの重複率が高く、メタボ該当者のうち、男性の32・0%、女性の53・2%がロコモを併発し、非メタボ該当者の2倍以上でした。ロコモとメタボが重複している50代男女では、高血圧や糖尿病、脂質異常症の治療を受けている割合も高いことがわかりました。
男女・年代別メタボの有無によるロコモ度の分布

ロコモとメタボの重複は、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症を悪化させるだけではなく、高齢期の要介護リスクをさらに高める可能性があります。今からロコモとメタボに注意し、健康的な生活習慣を心がけることが重要です。